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胃のかたち
上田信治による俳句研究。
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澤7月号「特集・二十代三十代の俳人」
今週の『週刊俳句』の後記に、『俳句研究』の休刊に思うことを、すこし書きました。
「いまの総合誌という形ではなくなったとしても、俳句の現在を可視化するなんらかの装置にあって欲しい」とか、なんとか。

ちょうど、その後記を書いていた日に、届いたのが『澤』の七周年記念号「特集・二十代三十代の俳人」。もう毎年の名物になりつつある、分厚い特別編集版です。
それは、まさしく「俳句の現在を可視化する」ものでした。

後記を書いていたときに頭にあったのは、それこそ「俳句2.0」的な、現場報告の集合体のようなものだったので、結社からこういう発信があることは、おどろきでした。

結社が、状況全体を引き受ける意志をもっている。それはユニークなことでしょうが、希望でもあります。

若手作家13人(今泉康弘・山根真矢・高山れおな・杉浦圭祐・牛田修嗣・田中亜美・立村霜衣・大高翔・冨田拓也・村上鞆彦・高柳克弘・神野紗希)の自選50句。うち10人から寄せられた文章。
『澤』の、同年代の作家9人(押野裕・森野こと・榮猿丸・野崎海芋・山口珠央・相子智恵・森下秋露・池田瑠那・三宅麻子)の自選20句。うち5人から寄せられた文章。

『澤』の相子智恵さんの文章から引きましょう。

そして、現代はと言えば、大きな存在の俳人は次々と逝去し、読者の不在が嘆かれ、結社という制度の魅力が薄まり、文化的なコンセンサスや思想をもたず、季語と自然が失われているという時代だ。こんなにも大きな壁の崩壊は、抵抗の手に負えない。だったら一旦、それを受容するしかないではないか。(…)そこで個人が小さなサバイバルとしての創造を、自分の好きな俳句を、ただ続けるのみである。


澤俳句会 sawamail@sawahaiku.com

メールで申し込めば、振替用紙が入ってくる。1200円ですけど、原価は、その4倍くらいいっているらしい。(※未確認情報)
繰り返しになりますが、ここには、俳句の現在を見渡そうという意志がある。しかも、今、不見転で申し込まないと、けっして手に入らないです。

買って損無し。
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