胃のかたち
上田信治による俳句研究。
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「俳句」07/1月号を読む
○巻頭・特別作品32句「鳥影」正木ゆう子

  初春の九条をもて宝とす

前書きに「憲法」とある。「葱」だったらよかったのに。

○特別作品32句「七人」小澤實

  跨線橋ポスター攻めや虎落笛

「ポスター攻め」という言いつづめ方が独特。(去年は「ソーセージころがし焼き」などがあり)「ささと鳴る天蚕の繭振りみれば」「漆喰壁に枯蟷螂や首直角」のような下五のだめ押しなどもあり、ともかく一句の言葉量・熱量を増やしてゆこうという行き方。あまりに無理な言い方の切迫感に、おかしみがただよいますが、「澤」3月号の「しぐるるやかなしきものに跨線橋」みたいなのも好きです。なんか「跨線橋」が、股火鉢みたいだ。

○特別作品21句「寒立馬」小原啄葉

  吹雪く中人のかたちの雪歩む

有名な句に「海鼠切りもとの形に寄せてある」「土用芽や土葬の土の余りたる」とか、去年も「胸押してくる一枝より剪定す」とかあって、この作者、物からふっと生命を抜いちゃうみたいなことをするので、こわいです。ところで「海へ出る雲を遠見の寒立馬」って、去年の年鑑で見ましたけど。「行き違いになってしまった場合は御容赦ください」というやつでしょうか。

○一億人の季語入門(三) 長谷川櫂

季語と季題の違いを、定義されています。季語は「季節の言葉」であり、季題は「題になった季語」だそうです。長谷川さんは「や」の定義も、やってらっしゃいましたよね。

○「観察」竹中宏

  上下に抽斗左右に抽斗ナイアガラ
  草のインテリ草の王、草の黄

かっこいいですね。この作者、旧字を使われてるんですが(「草」でいえば、くさかんむりの真ん中が開いている)そのわりに「抽斗」や「百日紅」にルビを打たれていて、いったい、どういう読者を想定しているのか。

○「我思ふ、故に」仁平勝

  我思ふ故に湯ざめして我あり

「魚座」が終巻して、どうされるのかな、と思っていたのですが、なんか、元の仁平さんに戻っちゃってます。

○合評鼎談

1月号の、松本てふこさんの「読初の頁おほかた喘ぎ声」について(すごい句だ)。櫂未知子さんが「作者は職業柄、そういう本を読まざるを得ない」と発言されてます。僕はむしろ「家でも読んでるのか」と思いました。

けっこう、今月は、読みどころがありました。
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コメント
この記事へのコメント
小原啄葉氏
面白いですよね。たまたま今読んでました。

熊の子を一匹遣ると言はれても
家を継ぎ父の鮭打棒もつぐ
くびれたるところがかたし竹婦人
これ以上たひらにならぬひらめかな

など。ほかにもたくさん面白かった。『小原啄葉集』(自註現代俳句シリーズ・続編19)より
2007/02/25(日) 19:23:48 | URL | あやか #fYdA4Rtg[ 編集]
小原啄葉氏
土俗的、というより多く、機知の句で、
でもやっぱり都会人じゃないところが、
すごみを感じさせるのですね。
2007/02/25(日) 21:42:57 | URL | 信治 #tl9rY.2.[ 編集]
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