胃のかたち
上田信治による俳句研究。
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2という数詞
「2」は独特である。

   河骨の二もと咲くや雨の中     与謝蕪村
   草二本だけ生えている 時間    富澤赤黄男

「3」「4」や「5」あるいは「6」と違い、「2」は、数えなくても「あ、2だ」と分かる。おそらく「2」が分かることに特化した脳の部位があるだろう。
 
   雉子ゐたり一羽にあらず二羽ゐたり 渡辺白泉

「1」には象徴性が、「3」以上の数詞には「数えました」という報告がつきまとう。対するに「2」は物質のように具体的である。

   桐火鉢二つが桐の長箱に      小澤 實
   夏座敷テレビ二台を置けるなり   〃
   つややかな版木が二枚今朝の秋   中田 剛
   天秤に分銅二つ桃の花       〃
   うすぐろく二僧のはざま火吹竹   〃

「2」は、くせになるようだ。村上鬼城などは「春浅し壁にかけたる鍬二挺」「まひまひや深く澄みたる石二ツ」「紙鳶二つちらちら雪にあがりけり」「秋空や日落ちて高き山二つ」と作っている。しかも、あまり面白くない。

   これはいい茸だしかも二つある   鴇田智哉
   三つほど悪い茸が出てゐたる    〃 

そんな中、上の二句を並べて発表した鴇田智哉は、へんな人かもしれない。

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コメント
この記事へのコメント
赤黄男の句
これはきっと本歌取りですね。
2006/01/03(火) 23:52:17 | URL | 信治 #tl9rY.2.[ 編集]
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2006/01/09(月) 19:54:57 | | #[ 編集]
上のコメント、
僕の手違いで「管理者にだけ表示を許可する」欄にマークをつけてしまったらしいので(そしてパスワードを設定し忘れたので編集ができない)、もう一度書き込みます。


さすがの博覧強記ぶり。怖いなあ。

> 「1」には象徴性が、「3」以上の数詞には「数えました」という報告がつきまとう。対するに「2」は物質のように具体的である。

こういう把握は、僕の知っている範囲では、ちょっと聞いたことがないですね。非常に納得です。
2006/01/09(月) 22:04:04 | URL | ユースケ #v14okzU2[ 編集]
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仕事始めは、ゆうるりと助走のつもりでやらないといけない。急に駆け出すと、バテる。仕事場では、届いた年賀状に目を通したり、鉛筆を整理したりしながら、だらだら過ごした。2006年、俳句も、ゆっくりじょじょに始めたい。さて、信治さんの「2という数詞」は俳句における
2006/01/04(水) 22:01:15 | 俳句的日常 come rain or come shine
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