胃のかたち
上田信治による俳句研究。
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人名と俳句
俳句における、人名は、胡乱である。


   花野から清川虹子また虹子   西原天気
   目の中に芒原あり森賀まり   田中裕明
   大辻司郎象の藝當見て笑ふ   西東三鬼


共通するのは、人名の、他の語からの浮き具合。または、異物感。

(仮説1)俳句で使われる名詞は、多くの場合、単数であれば「a」がつくような、一般概念としての「いわゆるひとつの○○」である。「the」がつく名詞すら登場することが少ないので、固有名中の固有名である人名の、異物感が際だつのではないか。


   風生と死の話して涼しさよ   高浜虚子
   聾青畝ひとり離れて花下に笑む 〃


(仮説2)同じ人名でも俳人や歌舞伎役者の名前は、それほど胡乱ではない。また、同じく固有名詞である地名の場合、俳枕的地名は安全だが、「南浦和」「岐阜羽島」のように句中で異物感を発する地名もある。

単純に、人名は「風流」ではないことが多い、ということではないか。


   夏死にて川端茅舎すがすがし    下村槐太
   柿の木の天までのぼれ津田清子   平畑静塔
   田山花袋の喜びさうな火桶なり   大牧広
   弾きて澄む顔は見えねど諏訪根自子    日野草城
   フリードリヒ・ニイチエのごとき雷雨かな 平井照敏


(仮説3)思うに、そもそもフルネーム(姓+名)というものが、胡乱なのではないだろうか。


   秋風や會津八一の眉間の皺     小澤實




西原天気さんよりご恵贈いただいた「人名句集 チャーリーさん」が、あまりにおもしろかったので。(続く、かも)
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