胃のかたち
上田信治による俳句研究。
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ええい、字余ってをるわ
加倉井秋を「午後の窓」を読む。

  どう置いても栄螺の殻は安定す    秋を

歳時記の「栄螺」の項で見た、この句の機知に興味をもって読み始めたのだが、この人、予想以上に変な人だった。ともかく、よく字余る。直せば直るところで、字余る。

  桐咲けりどの家もどこかに子供ゐる  秋を
  海水着着てポストがあるので曲る   〃
  夏来る砥石のそばに束子ありて    〃

あと、めそめそする。

  毛糸編む機械かなしや膝を入れ    秋を  
  さびしみてをれば舟蟲群がるよ    〃

新しがった素材を、もってくる。

  さくら咲くコンクリートを煉つてゐる 秋を
  昼寝より覚めて瓦斯タンクがありぬ  〃
  ごみ箱に乗りメーデーの列を見る   〃

どうですか、こういう人。僕はこの人は「親戚だ」と、思いました。

字余りは、そこでちょっと「声」というか「かんじ」を出す、という試みだろう。でも、読者への寄りかかり、ととる人も、きっといるだろう。余談ですが、この句集、版形がすこし天地短くて、寸詰まりのかたち。タイトルの字配りもパラパラとして、非常にカワイイ。つまり、なにもかも、甘えた感じがいっぱいなんですが、、、、うーん、好きですね。

   そんな時刻石燈籠に蝿びつしり  秋を

「そんな時刻」って、言われても、困るわ、秋をちゃん。
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コメント
この記事へのコメント
信治調
ですね。父子かも。

下6は、ある年代、ある流派の人は、とても効果的に使いますね。「とりあえず五に収める」というのではなく、みずからの韻律に向き合おうとする感じ。
2006/05/14(日) 08:54:35 | URL | てんき #iZL8muj2[ 編集]
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