胃のかたち
上田信治による俳句研究。
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言い直し
>ここらあたりで「文学・若者・自己表現 VS. 俳句・中年・遊び」という3対3のタッグ戦が、成立する見込み。でも、自分の場合「サービス精神」みたいなものが乱入してしまうので、闘わずして中年組が有利。

前回のエントリの末尾に書いた部分。上手く言えてないと思い、削除して、こっちへ持ってきた。

じつは言いたかったのは、俳句は、「ある抑圧」を、受け入れた上で成り立つものだ、という話で。

かつて「俳句では畢竟、俳句しか書けない」とつぶやいて、俳句を捨てた前衛俳人がいたとか、いないとか。おそらくその人の眼前にあった「抑圧」。あるいは逆に「俳句形式への信頼」と言う俳人が、うっとりと受け入れているような「抑圧」。

つまり、あらかじめある限界を見る不快、ですかね。

「(略)与えられるのは、必ず、文芸としては二流の位置である。この骨身を削って二流を目ざすというのが、俳句形式にたずさわる醍醐味でもある」とは、飯島晴子の書いたことで。

抑圧にあらがう(または初めから頭に無い)のが、俳句における若者的立場、抑圧を受け入れつつも、あまり言挙げしないのが中年的立場、と、そういうことが言いたかった。

そして二つの立場が対立するように書きましたが、そこがいちばんの書き損ない。実はどっちつかずが大切で、そこを止揚するのが「サービス精神」なんじゃないか、と。俳句の限界を見ないふりをするという「サービス」を想定して、そう思っていたんですが、まあ、この話もそのうち。

天気さんが「自己表現」について記事を書かれている。
いつもながら、天気さんの結論は明快だが「道に石が落ちていて邪魔でしようがない。ひょいとどけようとしたら、見えていたのは一部で、実は岩のように大きな石塊が地面に埋まっていて、ちょっとやそっとでは動きゃあしない。「自己表現」というのは、そんなたぐいのものかもしれない。」と、ちょっと謎めいたことも書かれている。

きっと自己とか固有性は、表現するものではなく(かといって忌避すべきものでもなく)楽しむものなのでしょう。本人にとっても、観客にとっても。

ただ、エンタテインメントの演目には、いろいろある。ボクシングとか人間ポンプとか、魂の叫びとか共同体に対する違和の表明とか。それらが、どうやって人の慰めたりえているのか。そして、それは、一見気楽な俳句の楽しみにも通底するものなのか、と考えていくと、たしかにちょっと、深いかも、です。
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コメント
この記事へのコメント
ご無沙汰してます。
とても興味深く拝見させていただいております。

俳句のエンタテイメント性について自分も考えていたのでコメントしたくなっちゃいました。すみません。「早大俳研」第7集にも書いたのですが、俳句が「俳句」を共有していない人々に対して何ができるのか、さらにいえば俳句をやっている人に何が出来ているのかということを考えていました。これが説明できないと俳句の本質論を含め、俳句の思想化が全くなされていないことになるのではないかと思いまして。これを突破する一つの鍵が「エンタテイメント性」なんだと思っています。もしくは「芸術性」と言ってもいいかもしれません。ここでいう「芸術性」とは美学に基づくなんたらかんたらとかではなく「疲労しきった日常から非日常への突破口」という意味での芸術性です。寺山修司的ですね。「芸術性」という言葉の拡大解釈かもしれませんが、今のところそのように考えています。その突破口がなければ俳句は、つくる人と読む人だけによる小さなコミュニティでしか成立しえないものになってしまうような気がします。自立性が全くないと言えば言いすぎでしょうか。勿論、そうであっても困ることはないのではありますが。信治さんは俳句は思想化されているとお考えでしょうか。

話を蒸し返すようで恐縮なのですが「俳句=ゲーム」というのは「俳句=遊び」と捉えてもよろしいのでしょうか。私は「遊び」という方がなんだかしっくりくるものですから。
2006/10/12(木) 20:02:00 | URL | さわD #-[ 編集]
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あたりまえのことだけれど、俳句をつくる、ということは、俳句をつくる、ということである。あ、何言ってるんだろう。つまり、俳句を求める、ということである。うーん、言い換えてみたが、うまくない・・・。★★☆さて、前回コラムの天気さんの「自己表現」について触れつ
2006/10/05(木) 00:53:16 | たじま屋のぶろぐ
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